
今回は、水漏れが発生していた日立「白くまくん」の完全分解クリーニング事例をご紹介します。
こちらはファンロボを搭載した機種で、普段は主に除湿運転で使用されていました。事前にメーカーによる点検を受けたものの、エアコン本体に異常は見つからず、内部のクリーニングを勧められたとのことです。
ファンロボ付きで内部構造が複雑なため、一般的な壁に掛けたままの洗浄では十分な対応が難しく、今回は室内機を壁から取り外して完全分解しました。

目次
水漏れの原因を決めつけず、運転状態から点検
エアコンの水漏れは、ドレンホースの詰まりだけで起きるとは限りません。冷え方や冷媒の状態、配管からの結露、室内機の傾き、内部の排水経路など、複数の可能性を順番に確認する必要があります。
今回は詳しい聞き取りが難しい状況だったため、実際の運転状態や各部の状態を見ながら原因を切り分けました。
温度と冷媒圧力を確認
まずエアコンを運転し、温度を測定しました。あわせて室外機のサービスバルブにゲージを接続し、冷媒圧力も確認しています。水漏れだけに注目せず、エアコンがどのような状態で運転しているかを調べるための点検です。



配管まわりの結露も確認
配管化粧カバーを外し、冷媒配管とドレンホースの取り回し、接続部分、断熱の状態を確認しました。現場では配管接続部付近に結露が見られました。
室内機からの水漏れに見える症状でも、実際には冷媒配管の結露水が関係している場合があります。特に除湿運転では内部や配管が冷えやすいため、配管結露も原因候補のひとつとして点検しました。

据付板はほぼ水平
室内機を取り外したあと、据付板を水平器で確認しました。確認した範囲ではほぼ水平で、室内機が大きく傾いて取り付けられていた状態ではありませんでした。そのため今回は、本体の大きな傾き以外の部分を中心に調べています。


フィルターはきれいでも、内部には汚れが付着
点検時、フィルターは比較的きれいな状態で、目立った目詰まりはありませんでした。一方、吹き出し口の奥や送風経路、ファンロボ、クロスフローファン、熱交換器周辺には汚れが確認できました。


自動お掃除機能は主にフィルターのホコリを処理するもので、送風ファンや熱交換器、ドレンパン、排水経路まですべてを洗浄する機能ではありません。
ファンロボとクロスフローファンのジェル状の汚れ
分解して確認すると、ファンロボのブラシや周辺部品にもホコリや汚れが付着していました。送風を行うクロスフローファンにも、羽根の縁を中心に汚れが広く付着していました。



熱交換器の端部や奥にも汚れ
熱交換器には、表面だけでなく端部や折り返し部分、奥まったセル周辺にも汚れが残っていました。こうした場所は壁に掛けたままでは確認しにくく、洗浄液や水流も狙いにくい部分です。


壁から取り外したから確認できた排水経路
今回は室内機を壁から取り外し、ドレンパンやクロスフローファンなどを分解しました。これにより、通常の壁掛け洗浄では見えにくい室内機の背面、壁側の細いドレンパン、熱交換器の裏側まで確認できる状態になりました。


確認できた事実と、水漏れ原因についての推測
現場で確認できたこと
- メーカー点検では、エアコン本体に異常は見つからなかった
- 普段は主に除湿運転で使用されていた
- フィルターは比較的きれいだった
- 吹き出し口、ファンロボ、クロスフローファン、熱交換器周辺に汚れがあった
- 配管接続部付近に結露があった
- 冷媒圧力と運転時の温度を確認した
- 据付板はほぼ水平だった
- 壁側の細いドレンパンや排水経路に汚れがあった
- 内部に粘りのあるジェル状・泥状の汚れがあった
- 室内では猫が飼育され、猫砂が使用されていた
水漏れ原因として考えられること
完全分解して確認した結果、今回の水漏れは、壁側の細いドレンパンやその周辺の排水経路で水の流れが悪くなっていた可能性が有力だと考えています。本来は排水経路へ流れるはずの結露水が十分に逃げず、前側からあふれた可能性があります。
また、猫砂の微細な粉じんが空気中に舞い、エアコン内部へ吸い込まれた可能性も考えられます。猫砂には水分を吸収したり固まりやすくしたりする製品もあるため、その粉じんが結露水や既存の汚れと混ざり、ジェル状・泥状の付着物になった可能性はあります。
ただし、確認された汚れが猫砂だけを原因として発生したと断定できるものではありません。あくまで、室内環境と汚れの状態から考えられる要因のひとつです。
完全分解して各部品を洗浄
取り外したドレンパンやクロスフローファンなどは、部品ごとに洗浄しました。クロスフローファンは屋外へ運び、高圧洗浄で羽根の奥まで直接洗っています。

ファンを本体から外すことで、壁に掛けたままでは水流を当てにくい部分まで洗浄できます。熱交換器についても、送風ファンやドレンパンを取り外した状態で、裏側や端部を確認しながら作業しました。
ファンロボのブラシは再取り付けしていません
今回はファンロボのブラシを取り外し、洗浄後も再取り付けしていません。
愛生クリーンサービスでは、これまで複数のファンロボ搭載機を完全分解してきた経験から、ファンロボが必ずしも送風ファンの汚れを減らす方向に働くとは考えていません。ブラシがファン表面の付着物に接触することで、汚れを広げたり、内部に残りやすくしたりする可能性があると捉えています。
そのため、今回の使用状況と内部の状態を踏まえ、ファンロボのブラシは不要と判断し、再取り付けしない対応としました。


ファンロボについての当店の考え方や、実際に複数台を分解して確認した内容は、YouTubeでも紹介しています。
洗浄後に組み立て・再設置
洗浄後は、取り外した部品や配線を一つずつ確認しながら組み戻しました。ファンロボ付きの機種は送風ファン周辺の部品や配線が多く、一般的な機種より構造が複雑です。部品の位置や配線の取り回しを確認しながら復旧しています。

運転・温度・排水を確認して作業完了
組み立てと再設置後は、実際にエアコンを運転させ、風向ルーバーや送風状態、排水を確認しました。吹き出し部分の温度も測定しています。


温度計の表示は、測定位置や運転条件によって変わります。今回は単純な温度差だけで性能を判断せず、運転状態を確認するための記録として扱っています。
水漏れでは、見えない排水経路の確認が重要です
エアコンの水漏れには、ドレンホースの詰まりだけでなく、配管の結露、設置状態、ドレンパンの汚れ、室内機内部の細い排水経路など、さまざまな原因候補があります。
今回の事例では、メーカー点検で本体に異常が見つからなかったあと、室内機を壁から取り外して完全分解したことで、フィルターの奥にある汚れや、壁側の細いドレンパン、熱交換器の裏側まで確認できました。
フィルターや外観がきれいでも、エアコン内部まできれいとは限りません。また、水漏れの原因が外から見える場所にあるとも限りません。
通常のエアコンクリーニングで改善しない水漏れや、原因の分からない水漏れでお困りの場合は、内部の排水経路まで確認できる完全分解クリーニングが有効な選択肢になることがあります。
愛生クリーンサービスでは、実際に現場で確認した状態をもとに、原因を決めつけず、一つずつ可能性を切り分けながら対応しています。日立「白くまくん」やファンロボ付きエアコンの水漏れ、通常洗浄では確認できない内部汚れでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください。090-5053-9597愛生クリーンサービス 受付時間 9:00-19:00 [ 土・日・祝日OK ]
お問い合わせ
