今回は、賃貸物件に設置されている日立のルームエアコンを、室内機ごと取り外して作業場へ持ち帰り、完全分解洗浄しました。

機種は日立 RAS-LJ22X、2008年製。すでに長期間使用されている機種です。賃貸物件のため、お客様から大家さんへ事前に連絡していただいたことを確認したうえで作業しました。

日立 RAS-LJ22X 2008年製の銘板
今回洗浄した日立 RAS-LJ22X。銘板から2008年製であることを確認できます。

施工前|フィルター周辺にもホコリが堆積

洗浄前のエアコン フィルター周辺のホコリ
施工前。フィルター周辺にはホコリが堆積していました。

外から確認できる部分にもホコリが付着していましたが、今回の記事で見ていただきたいのはここからです。エアコンは外装やフィルターの奥に、熱交換器、送風ファン、ケーシングなどが重なって組み込まれています。

壁に掛けたままのクリーニングでも洗える範囲はあります。しかし、部品同士が重なっている裏側まで状態を確認しながら洗うには、さらに分解する必要があります。

室内機を壁から取り外して持ち帰ります

エアコン室内機を壁から取り外した状態
室内機を取り外したあとの壁面。今回は室内機を作業場へ持ち帰ります。
作業場へ持ち帰ったエアコン室内機
作業場へ持ち帰った室内機。ここからさらに分解します。

当店の持ち帰り完全分解では、室内機を壁から取り外し、作業場で各部品を分離していきます。壁や室内を養生して洗う方法とは異なり、取り外した部品を単体で確認しながら洗浄できるのが特徴です。

送風ファンを外すと、さらに奥の汚れが見えます

洗浄前のクロスフローファンに付着した汚れ
洗浄前のクロスフローファン。正面から見ると、羽根の間に汚れが付着しているのが分かります。

送風ファンの形状や役割、汚れ方については、エアコンの送風ファンとは?形状・役割・汚れ方を完全分解写真で解説で詳しく紹介しています。

洗浄前のエアコンケーシング内部と送風ファン
ファン周辺だけでなく、その奥のケーシングにも汚れが見えます。

クロスフローファン(送風ファン)は、冷やされた空気を室内へ送り出す部品です。細い羽根が多数並ぶため、ホコリやカビが付着すると羽根の間に汚れが残ります。

さらにファンを取り外すと、普段はファンの裏側になっているケーシング内部が露出します。ここは吹出口から覗いただけでは全体を確認できない場所です。

送風ファンを外して露出したケーシング内部の汚れ
送風ファンを取り外したケーシングの裏側。壁掛け状態では見えない部分にも汚れが付着しています。

熱交換器にも汚れが付着

完全分解したエアコン熱交換器の汚れ
分解して確認した熱交換器。フィン周辺に汚れが付着しています。
洗浄前のエアコン熱交換器の汚れ
熱交換器を近くで確認すると、部分的に汚れが固まっているのが分かります。

熱交換器は空気を冷やしたり暖めたりする主要部品です。細かなアルミフィンが並んでいるため、ホコリなどが付着します。今回はケーシングや送風ファンから分離した状態まで分解し、それぞれを洗浄しました。

分解した部品を単体で洗浄

完全分解の目的は、単に部品をたくさん外すことではありません。汚れている面を露出させ、洗浄後に「本当に落ちているか」を目で確認できる状態にすることです。

完全分解したエアコン部品を洗浄している様子
取り外した部品を一つずつ洗浄していきます。
エアコン完全分解洗浄の作業中
完全分解した部品の洗浄作業中。汚れを確認しながら洗っていきます。

洗浄後のケーシング

完全分解洗浄後のエアコンケーシング
洗浄後のケーシング。送風ファンを外した状態なので、奥側まで直接確認できます。
洗浄後のエアコンケーシング内部
凹凸のあるケーシング内部も洗浄後に確認します。

洗浄前の写真と比べると、ファンの裏側に隠れていた部分まで確認しやすくなっています。こうした場所を部品単体の状態で洗えるのが、完全分解の大きな利点です。

送風ファンを組み戻します

洗浄後のクロスフローファンをケーシングへ組み込んだ状態
洗浄したクロスフローファンをケーシングへ戻した状態。
完全分解洗浄後のエアコン内部を組み立てている状態
洗浄した部品を順番に組み戻していきます。

洗浄した送風ファンやケーシングなどを、元の位置へ順番に組み戻します。完全分解洗浄は分解して洗うだけでなく、正しく組み戻して運転できるところまでが作業です。

熱交換器も単体まで分離

完全分解した日立エアコンの熱交換器
ケーシングや送風ファンから分離した熱交換器。完全分解した状態がよく分かる写真です。

この写真を見ると、今回どこまで分解しているかが分かりやすいと思います。熱交換器だけの状態まで分離することで、その周囲に隠れていたケーシングや送風経路も直接洗浄できます。

組み立て後、再設置して試運転

完全分解洗浄後に組み立てた日立エアコン室内機
外装やフィルターまで組み戻した室内機。
完全分解洗浄後に壁へ再設置したエアコン
洗浄・組み立て後、元の場所へ再設置しました。
エアコン完全分解洗浄後の試運転
再設置後に試運転を行い、動作を確認します。

室内機を元の場所へ戻したあと、試運転を行って作業完了です。運転状態を確認し、問題がないことを確認してお引き渡しします。

この機種の内部を乾燥させる「クリーン運転」

RAS-LJ22Xは、リモコンに「内部クリーン」専用ボタンはありませんが、クリーン運転を使用できます。運転停止中にリモコンの「停止」ボタンを3秒間押すと、約3秒後に「CL」と表示されてクリーン運転を開始し、約30分後に自動停止します。

日立の取扱説明書では、冷房シーズンの終わりなどにクリーン運転を行うことで、室内熱交換器を乾燥させ、カビの発生を抑えると説明されています。すでに発生したカビを除去したり、殺菌したりする機能ではありません。

日立 RAS-LJ22X 取扱説明書(PDF)を見る(クリーン運転は10ページに記載)

2008年製のため、作業前にリスクをご説明しました

今回のRAS-LJ22Xは2008年製です。10年以上経過したエアコンでは、メーカーの補修用性能部品の保有期間や在庫状況によって、必要な部品の供給がすでに終了している場合があります。

そのため、万一作業に起因する不具合が発生した場合、交換部品が入手できず修理による復旧ができない可能性があります。その場合、当店では作業料金をいただいておりません。今回はこの点をご説明し、また賃貸物件であるため大家さんへの連絡も済ませていただいたうえで、完全分解洗浄をご依頼いただきました。

完全分解すると、普段見えない汚れまで確認できます

今回特に分かりやすかったのは、送風ファンそのものだけではなく、ファンを取り外した奥のケーシングや熱交換器にも汚れが残っていたことです。

エアコンの汚れ方は、使用年数や設置環境、使用頻度によって大きく異なります。すべてのエアコンに同じ作業が必要というわけではありませんが、内部の状態が気になる場合や、できるだけ分解して洗浄したい場合はご相談ください。

古いエアコンの完全分解洗浄についても、機種・年式・設置状況を確認したうえでご案内します。困ったら当店へご遠慮なくお問い合わせください。

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